攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG / 第24話「出島,空爆 NUCLEAR POWER」
スカイパーフェクTV!:2004年12月4日放送
DVD発売:2005年2月発売
STAFF
脚本:神山健治 絵コンテ・演出:橘正紀 作画監督:新野量太
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ゴーダ「これで難民は完全に孤立する。後は孤独に耐性のない者達の討幕が私のイメージする結末に向けどう帰結するのか、それを見届けるだけだ。」
男「味方がやられて発砲するななど、彼等も納得せんよ。」
男「戦略情報部からは残りの核が全て出島に在ると言う報告が来ている。ここは機甲化部隊を進攻させ、査察団の到着を待たずに一気に方を付けるべきだ。」
男「だが出島に兵を送り込んだ場合、彼等が核を使った自爆テロを試みるのではと言う情報もある。」
男「兵を入れるのは難民の武装拠点を叩いてからでも遅くは無いでしょう。どうだろう、例の無人攻撃ヘリを出してみては。」
男「おお・・・」
久保田「うーむ・・・」
職員「茅葺総理。先程貴方は内閣総理大臣の任を更迭されました。」
茅葺「どういう事ですか?理由は?」
職員「独断での核査察要請は有事法制化では国家反逆罪と見なされる可能性があります。従ってこの事態が終息する迄貴方の身柄を拘束させて頂きます。」
プロト「課長・・・」
茅葺「一体誰の権限で?」
荒巻「何事かね?」
職員「荒巻公安9課長。貴方方にも国家反逆罪教唆の嫌疑が掛けられている。そのまま部屋に戻って下さい。」
トグサ「おい、あんたら一体どういう」
9課オペレーター「荒巻課長とは、6時間前から連絡がつかない状態です。」
久保田「奴はまだ官邸の地下か?」
9課オペレーター「はい。」
久保田「そうか。では連絡がついたら伝えておいてくれ。恐らく内庁による情報操作だと思うが難民が核で自爆テロをやらかすといったブラフが流れている。何かあるから調べてみろと。」
9課オペレーター「了解しました。」
久保田「お前の事だ、既に何かを掴んでいるとは思うが・・・」
難民「あの時と同じだ・・・」
難民「政府は始めからこうするつもりだったんだ。自衛軍の奴等!出島に入ってきてみろ!」
クゼ「武器を下ろせ!すぐに仕舞うんだ!」
難民1「クゼ!」
難民「え?」
クゼ「何もするんじゃない。武器を仕舞っていれば奴等は攻撃してこない。」
難民「彼が同志クゼ?」
難民1「たがが外れちまった・・・!」
クゼ「おい!何人か腕の立つ者を集めてくれ。もう一度皆を俺の電脳に繋ぎ止める!」
難民1「分かった!」
タチコマ:以前、新浜難民居住区で行われた合同演習その物ですね。
バトー「恐らく出島に入ったら軍の認識コードも無効になる。ジガバチは自分と違う形状の機体に対して無条件で攻撃を仕掛けてくるぞ。」
素子「止むを得まい。ボーマ、急げ。」
ボーマ「了解。」
バトー「よしボーマ、俺と替われ。」
男「攻撃が始まってるな。」
男「ん・・・ああ。だが内の出番は無さそうだ。核が回収されない限り揚陸は無いからな。」
男「じゃあ、あれは?」
男「あれは内とは関係ない。陸自の特殊部隊が極秘裏に出島入りして核爆弾を回収して来るつもりらしい。」
タチコマ「少佐!そろそろ通信障害区域に入ります。」
素子「通信が途絶えても回線は開いておけ。それと海上の動きも把握しておくんだ。」
タチコマ「了解。」
タチコマ「今ジガバチは等間隔で旋回中。あの高い建物の影から回りこむ様に低空で潜空するのが一番の」
バトー「切れたか。行くぞ!」
4課課員「出島の北側より認識コードの違う船が出島に接近。ECM領域に消えました。」
4課課員「それだな。同じコースで入れ。」
4課課員「了解。」
タチコマ:ついに通信が途絶えたね。
タチコマ:うん。バトーさん無事だといいんだけど・・・
タチコマ:あのネクラなAI達、結構凶暴だったからなあ・・・
タチコマ:うん。 タチコマ:確かに・・・ タチコマ:心配だなあ・・・ タチコマ:そうそう。 タチコマ:とっても怖かった・・・
タチコマ:そういえばあいつ、イシカワさんと合流出来たのかな?
タチコマ:そうだね。
タチコマ:おーい、イシカワさんとは合流出来たのかあ?
タチコマ:そんなに早く着ける訳無いだろ!こっちは地上を物理移動してるんだぞ!
タチコマ:そうか、ご免ご免。で、イシカワさんは?
イシカワ:俺も今向かっている所だ。あんまり急いで捕まる訳にもいかんしな。少佐はどうした?
タチコマ:映像では確認出来ているので、今の所無事です。
イシカワ:そうか。
タチコマ:でも、例のジガバチが制空権を押さえているのでかなり危険かと・・・
イシカワ:課長とも連絡が取れんしな・・・どうやらここからは独自の判断で動いていくしかなさそうだな。難民とクゼ、政府とゴーダ、課長や少佐、そして俺達。最も優秀なスタンドプレーを演じられた者がこの事件の勝敗を左右しそうだな。
内庁職員:代表。先程4課のヘリが出島に入った様です。
ゴーダ:そうか。
内庁職員:これでプルトニウムは何とかなりそうですね。
ゴーダ:別にプルトニウムを回収する事が4課を投入した本当の理由ではない。
内庁職員:はっ、と言いますと?
ゴーダ:直分かる。
バトー「駄目だ、着陸出来ねえ。何処も瓦礫だらけだ。」
素子「止むを得ん。一人ずつロープで降りるぞ。」
サイトー「OKだ、少佐。」
バトー「糞!」
サイトー「少佐!」
バトー「舵をやられた!」
トグサ「どうだ?プロト。タチコマと話せそうか?」
プロト「はい、何とか。」
トグサ「そうか、流石だな。俺一人じゃこんな事出来なかったよ。」
プロト「そんな事ありませんよ。先輩は状況に応じて行動出来る人です。」
トグサ「茅葺総理、大丈夫ですかね?」
荒巻「恐らく何処かに軟禁されたんだろう。彼女の更迭はこの事態が終息する迄マスコミには伏せてるだろうからな。」
トグサ「事後の責任を彼女にかぶせる為に・・・」
荒巻「うむ。だが公式発表が為されない限り実質的には内閣総理大臣だ。彼女の力が功を奏する局面はまだある。」
トグサ「確かに。」
プロト「先輩。タチコマと連絡がつきました。どうやら少佐達はプルトニウムを持って出島に入った様です。」
トグサ「出島に?」
荒巻「成る程、考えたな。で、状況は?」
プロト「いけません・・・どうやら難民と自衛軍の間に小競り合いがあった様で、自衛軍の攻撃ヘリが出島の武装拠点を空爆、少佐達の乗ったヘリも先程攻撃されたそうです。」
トグサ「何だって・・・?それじゃあ少佐や旦那は・・・」
プロト「出島全体にECMがかかっている為連絡がつかず、皆の生存は確認出来て無いみたいです。」
荒巻「ううむ・・・タチコマにはそのまま状況を逐次報告させろ。」
プロト「分かりました。」
素子「バトー、先に行くぞ。」
素子(何処に居る?クゼ・・・)
クゼ「慌てるな。哨戒機が来る迄まだ時間はある。」
バトー「ちっ・・・不味いな。このままじゃ難民に囲まれるぞ。」
4課課員「目標はまだ近くに居る。迅速に動け。」
バトー「何だよ?俺達を追ってきたって事か。」
4課課員「通信が使えない。光学迷彩は使うな。同士撃ちを誘う可能性があるからな。」
サイトー「何処の部隊だ?」
バトー「やべえぞ、ありゃあ陸自のスペシャルチームだ。」
タチコマ:バトーさん達の姿見えないねー・・・
タチコマ:墜落現場に他のヘリが来たけど、何だろう・・・?
タチコマ:兵隊が降りた様だけどよく分からないなー・・・
タチコマ:少佐も見つからない。光学迷彩を使ってるのかもね。
タチコマ:ねえねえ、これってどういう事?少し前から出島を囲んでいた潜水艦やヘリ空母が離れ始めてるんだ。それに哨戒艇からはマイクロマシンの散布が始まっているんだよ。
タチコマ:どれどれ?
タチコマ:本当だ・・・
タチコマ:核爆弾が使われた場合には先に散布しておかないと、放射能の影響を最小限に抑えられないんだろ?
タチコマ:核爆発後の吹き戻しを利用して、マイクロマシンを巻き込ませるって奴ね。
タチコマ:にしても、意味が解らないなー・・・
タチコマ:もしかして、難民が核を使った場合の保険とか?
タチコマ:そんな事ってあるか?
タチコマ:自衛軍が出島に核があると思っているのは良いとして、少佐達の推理通りなら官房長官や少なくともゴーダは出島に核は無いって知ってる訳でしょ?
タチコマ:今度もリアリティを演出する為のパフォーマンスとか・・・?
タチコマ:それはあるかもしれないけど、それにしちゃあ本格的だなあ。プロト君ならこの事態をどう推理する?
プロト:え・・・そうですね・・・
タチコマ:おい、皆。これ何だと思う?
タチコマ:何何? タチコマ:何? タチコマ:なあに?
タチコマ:沖縄環礁から東に370メートル先。排他的経済水域ぎりぎり内側の所に、何か巨大な鉄の塊が浮上してきてるんだ。
タチコマ:これってもしかして・・・
タチコマ:米帝の原子力潜水艦では・・・?
プロト:米帝の原潜!?
トグサ「200海里内にいるってどういう事でしょう?」
荒巻「政府の何らかの意向により姿を現したと言う事だろうな。」
トグサ「って事は、まさか出島に核ミサイルを発射するって事ですか!?」
荒巻「状況から察すると、そういう事になりそうだな。」
トグサ「ゴーダは始めっからそいつを想定し、全てをコントロールしていた・・・官房長官が日米安保を急がせていたのもその為だったと。」
プロト「そんな・・・」
荒巻「無い話では無い。恐らくゴーダによる最後の筋書きは、自衛軍により追い込まれたれた難民が、核爆弾による自爆を試みるといった所だろう。ポセイドンとの贈収賄で作った金も外務省から消えた公金も、恐らく米帝に核ミサイルを発射させる為に使われたに違いあるまい。全てを極秘裏にリセットしようと言う思惑を持つ者達によってな。」
プロト「事実、プルトニウムは少佐達の手によって出島に持ち込まれてしまった・・・」
トグサ「課長。茅葺総理を連れ戻しましょう。課長がさっき言った様に、外交上はまだ茅葺総理は日本の総理大臣です。彼女の権限があればまだ核攻撃を止められるかもしれません。」
荒巻「そうだな。」
荒巻「お前やプロトは調べられても、儂を調べようとは思わんだろう。」
トグサ「プロト。総理が軟禁されている場所は分かるか?」
プロト「はい。今検索します。」
トグサ「プロト!おい、大丈夫か!?糞、攻性防壁か・・・!」
プロト「先、輩・・・」
トグサ「プロト・・・」
プロト「総理の・・・部屋、分かり、ました・・・」
トグサ「プロト、お前アンドロイドだったのか・・・?」
プロト「いいえ・・・僕は、バイオロイドの、プロト、タイプ、です・・・」
クゼ「来たぞ!」
難民「ああ!」
クゼ「落ち着け。これは赤外線誘導弾だ。目を瞑って撃っても当てられる。スティンガー※1で狙われているとは思うまい。」
クゼ「撃て!」
難民1「やったぞ!」
クゼ「すぐに攻撃ヘリが来る。逃げるぞ。」
素子「クゼ・・・!」
バトー「このままじゃいずれ身動きがとれなくなる。お前等は先に出ろ。俺が最後にプルトニウムを持ち出す。奥の建物で落ち合うぞ。あん中は迷路だ。まだ勝機はある。」
サイトー「来たぞ。急げ。ツーマンセル、ツーセット。」
ボーマ「糞!」
4課課員「熱光学迷彩です。どうやら目標は只の自衛官では無い様です。」
4課課員「どういう事だ?命令ではプルトニウムを持って逃走したのは下級兵士5人と言う事だったが・・・よし、二手に分かれろ。フォーメーションBで追跡する。」
4課課員「了解。」
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STAFF
脚本:神山健治 絵コンテ・演出:橘正紀 作画監督:新野量太
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ゴーダ「これで難民は完全に孤立する。後は孤独に耐性のない者達の討幕が私のイメージする結末に向けどう帰結するのか、それを見届けるだけだ。」
男「味方がやられて発砲するななど、彼等も納得せんよ。」
男「戦略情報部からは残りの核が全て出島に在ると言う報告が来ている。ここは機甲化部隊を進攻させ、査察団の到着を待たずに一気に方を付けるべきだ。」
男「だが出島に兵を送り込んだ場合、彼等が核を使った自爆テロを試みるのではと言う情報もある。」
男「兵を入れるのは難民の武装拠点を叩いてからでも遅くは無いでしょう。どうだろう、例の無人攻撃ヘリを出してみては。」
男「おお・・・」
久保田「うーむ・・・」
職員「茅葺総理。先程貴方は内閣総理大臣の任を更迭されました。」
茅葺「どういう事ですか?理由は?」
職員「独断での核査察要請は有事法制化では国家反逆罪と見なされる可能性があります。従ってこの事態が終息する迄貴方の身柄を拘束させて頂きます。」
プロト「課長・・・」
茅葺「一体誰の権限で?」
荒巻「何事かね?」
職員「荒巻公安9課長。貴方方にも国家反逆罪教唆の嫌疑が掛けられている。そのまま部屋に戻って下さい。」
トグサ「おい、あんたら一体どういう」
9課オペレーター「荒巻課長とは、6時間前から連絡がつかない状態です。」
久保田「奴はまだ官邸の地下か?」
9課オペレーター「はい。」
久保田「そうか。では連絡がついたら伝えておいてくれ。恐らく内庁による情報操作だと思うが難民が核で自爆テロをやらかすといったブラフが流れている。何かあるから調べてみろと。」
9課オペレーター「了解しました。」
久保田「お前の事だ、既に何かを掴んでいるとは思うが・・・」
難民「あの時と同じだ・・・」
難民「政府は始めからこうするつもりだったんだ。自衛軍の奴等!出島に入ってきてみろ!」
クゼ「武器を下ろせ!すぐに仕舞うんだ!」
難民1「クゼ!」
難民「え?」
クゼ「何もするんじゃない。武器を仕舞っていれば奴等は攻撃してこない。」
難民「彼が同志クゼ?」
難民1「たがが外れちまった・・・!」
クゼ「おい!何人か腕の立つ者を集めてくれ。もう一度皆を俺の電脳に繋ぎ止める!」
難民1「分かった!」
タチコマ:以前、新浜難民居住区で行われた合同演習その物ですね。
バトー「恐らく出島に入ったら軍の認識コードも無効になる。ジガバチは自分と違う形状の機体に対して無条件で攻撃を仕掛けてくるぞ。」
素子「止むを得まい。ボーマ、急げ。」
ボーマ「了解。」
バトー「よしボーマ、俺と替われ。」
男「攻撃が始まってるな。」
男「ん・・・ああ。だが内の出番は無さそうだ。核が回収されない限り揚陸は無いからな。」
男「じゃあ、あれは?」
男「あれは内とは関係ない。陸自の特殊部隊が極秘裏に出島入りして核爆弾を回収して来るつもりらしい。」
タチコマ「少佐!そろそろ通信障害区域に入ります。」
素子「通信が途絶えても回線は開いておけ。それと海上の動きも把握しておくんだ。」
タチコマ「了解。」
タチコマ「今ジガバチは等間隔で旋回中。あの高い建物の影から回りこむ様に低空で潜空するのが一番の」
バトー「切れたか。行くぞ!」
4課課員「出島の北側より認識コードの違う船が出島に接近。ECM領域に消えました。」
4課課員「それだな。同じコースで入れ。」
4課課員「了解。」
タチコマ:ついに通信が途絶えたね。
タチコマ:うん。バトーさん無事だといいんだけど・・・
タチコマ:あのネクラなAI達、結構凶暴だったからなあ・・・
タチコマ:うん。 タチコマ:確かに・・・ タチコマ:心配だなあ・・・ タチコマ:そうそう。 タチコマ:とっても怖かった・・・
タチコマ:そういえばあいつ、イシカワさんと合流出来たのかな?
タチコマ:そうだね。
タチコマ:おーい、イシカワさんとは合流出来たのかあ?
タチコマ:そんなに早く着ける訳無いだろ!こっちは地上を物理移動してるんだぞ!
タチコマ:そうか、ご免ご免。で、イシカワさんは?
イシカワ:俺も今向かっている所だ。あんまり急いで捕まる訳にもいかんしな。少佐はどうした?
タチコマ:映像では確認出来ているので、今の所無事です。
イシカワ:そうか。
タチコマ:でも、例のジガバチが制空権を押さえているのでかなり危険かと・・・
イシカワ:課長とも連絡が取れんしな・・・どうやらここからは独自の判断で動いていくしかなさそうだな。難民とクゼ、政府とゴーダ、課長や少佐、そして俺達。最も優秀なスタンドプレーを演じられた者がこの事件の勝敗を左右しそうだな。
内庁職員:代表。先程4課のヘリが出島に入った様です。
ゴーダ:そうか。
内庁職員:これでプルトニウムは何とかなりそうですね。
ゴーダ:別にプルトニウムを回収する事が4課を投入した本当の理由ではない。
内庁職員:はっ、と言いますと?
ゴーダ:直分かる。
バトー「駄目だ、着陸出来ねえ。何処も瓦礫だらけだ。」
素子「止むを得ん。一人ずつロープで降りるぞ。」
サイトー「OKだ、少佐。」
バトー「糞!」
サイトー「少佐!」
バトー「舵をやられた!」
トグサ「どうだ?プロト。タチコマと話せそうか?」
プロト「はい、何とか。」
トグサ「そうか、流石だな。俺一人じゃこんな事出来なかったよ。」
プロト「そんな事ありませんよ。先輩は状況に応じて行動出来る人です。」
トグサ「茅葺総理、大丈夫ですかね?」
荒巻「恐らく何処かに軟禁されたんだろう。彼女の更迭はこの事態が終息する迄マスコミには伏せてるだろうからな。」
トグサ「事後の責任を彼女にかぶせる為に・・・」
荒巻「うむ。だが公式発表が為されない限り実質的には内閣総理大臣だ。彼女の力が功を奏する局面はまだある。」
トグサ「確かに。」
プロト「先輩。タチコマと連絡がつきました。どうやら少佐達はプルトニウムを持って出島に入った様です。」
トグサ「出島に?」
荒巻「成る程、考えたな。で、状況は?」
プロト「いけません・・・どうやら難民と自衛軍の間に小競り合いがあった様で、自衛軍の攻撃ヘリが出島の武装拠点を空爆、少佐達の乗ったヘリも先程攻撃されたそうです。」
トグサ「何だって・・・?それじゃあ少佐や旦那は・・・」
プロト「出島全体にECMがかかっている為連絡がつかず、皆の生存は確認出来て無いみたいです。」
荒巻「ううむ・・・タチコマにはそのまま状況を逐次報告させろ。」
プロト「分かりました。」
素子「バトー、先に行くぞ。」
素子(何処に居る?クゼ・・・)
クゼ「慌てるな。哨戒機が来る迄まだ時間はある。」
バトー「ちっ・・・不味いな。このままじゃ難民に囲まれるぞ。」
4課課員「目標はまだ近くに居る。迅速に動け。」
バトー「何だよ?俺達を追ってきたって事か。」
4課課員「通信が使えない。光学迷彩は使うな。同士撃ちを誘う可能性があるからな。」
サイトー「何処の部隊だ?」
バトー「やべえぞ、ありゃあ陸自のスペシャルチームだ。」
タチコマ:バトーさん達の姿見えないねー・・・
タチコマ:墜落現場に他のヘリが来たけど、何だろう・・・?
タチコマ:兵隊が降りた様だけどよく分からないなー・・・
タチコマ:少佐も見つからない。光学迷彩を使ってるのかもね。
タチコマ:ねえねえ、これってどういう事?少し前から出島を囲んでいた潜水艦やヘリ空母が離れ始めてるんだ。それに哨戒艇からはマイクロマシンの散布が始まっているんだよ。
タチコマ:どれどれ?
タチコマ:本当だ・・・
タチコマ:核爆弾が使われた場合には先に散布しておかないと、放射能の影響を最小限に抑えられないんだろ?
タチコマ:核爆発後の吹き戻しを利用して、マイクロマシンを巻き込ませるって奴ね。
タチコマ:にしても、意味が解らないなー・・・
タチコマ:もしかして、難民が核を使った場合の保険とか?
タチコマ:そんな事ってあるか?
タチコマ:自衛軍が出島に核があると思っているのは良いとして、少佐達の推理通りなら官房長官や少なくともゴーダは出島に核は無いって知ってる訳でしょ?
タチコマ:今度もリアリティを演出する為のパフォーマンスとか・・・?
タチコマ:それはあるかもしれないけど、それにしちゃあ本格的だなあ。プロト君ならこの事態をどう推理する?
プロト:え・・・そうですね・・・
タチコマ:おい、皆。これ何だと思う?
タチコマ:何何? タチコマ:何? タチコマ:なあに?
タチコマ:沖縄環礁から東に370メートル先。排他的経済水域ぎりぎり内側の所に、何か巨大な鉄の塊が浮上してきてるんだ。
タチコマ:これってもしかして・・・
タチコマ:米帝の原子力潜水艦では・・・?
プロト:米帝の原潜!?
トグサ「200海里内にいるってどういう事でしょう?」
荒巻「政府の何らかの意向により姿を現したと言う事だろうな。」
トグサ「って事は、まさか出島に核ミサイルを発射するって事ですか!?」
荒巻「状況から察すると、そういう事になりそうだな。」
トグサ「ゴーダは始めっからそいつを想定し、全てをコントロールしていた・・・官房長官が日米安保を急がせていたのもその為だったと。」
プロト「そんな・・・」
荒巻「無い話では無い。恐らくゴーダによる最後の筋書きは、自衛軍により追い込まれたれた難民が、核爆弾による自爆を試みるといった所だろう。ポセイドンとの贈収賄で作った金も外務省から消えた公金も、恐らく米帝に核ミサイルを発射させる為に使われたに違いあるまい。全てを極秘裏にリセットしようと言う思惑を持つ者達によってな。」
プロト「事実、プルトニウムは少佐達の手によって出島に持ち込まれてしまった・・・」
トグサ「課長。茅葺総理を連れ戻しましょう。課長がさっき言った様に、外交上はまだ茅葺総理は日本の総理大臣です。彼女の権限があればまだ核攻撃を止められるかもしれません。」
荒巻「そうだな。」
荒巻「お前やプロトは調べられても、儂を調べようとは思わんだろう。」
トグサ「プロト。総理が軟禁されている場所は分かるか?」
プロト「はい。今検索します。」
トグサ「プロト!おい、大丈夫か!?糞、攻性防壁か・・・!」
プロト「先、輩・・・」
トグサ「プロト・・・」
プロト「総理の・・・部屋、分かり、ました・・・」
トグサ「プロト、お前アンドロイドだったのか・・・?」
プロト「いいえ・・・僕は、バイオロイドの、プロト、タイプ、です・・・」
クゼ「来たぞ!」
難民「ああ!」
クゼ「落ち着け。これは赤外線誘導弾だ。目を瞑って撃っても当てられる。スティンガー※1で狙われているとは思うまい。」
クゼ「撃て!」
難民1「やったぞ!」
クゼ「すぐに攻撃ヘリが来る。逃げるぞ。」
素子「クゼ・・・!」
バトー「このままじゃいずれ身動きがとれなくなる。お前等は先に出ろ。俺が最後にプルトニウムを持ち出す。奥の建物で落ち合うぞ。あん中は迷路だ。まだ勝機はある。」
サイトー「来たぞ。急げ。ツーマンセル、ツーセット。」
ボーマ「糞!」
4課課員「熱光学迷彩です。どうやら目標は只の自衛官では無い様です。」
4課課員「どういう事だ?命令ではプルトニウムを持って逃走したのは下級兵士5人と言う事だったが・・・よし、二手に分かれろ。フォーメーションBで追跡する。」
4課課員「了解。」
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