まの いい りょうし
むかし、あるところに、百一つぁんという りょうしがいたんだと。百のうち一つぐらいしか、ほんとのことを 言わないんで、百一つぁんというんだと。
ある日のこと、百一つぁんは、てっぽうかついで、山奥の沼へ かもうちに行った。ちょうど、沼には かもが たくさん とんできて、水の上が 黒くなるぐらい、ぞろっとならんだんだと。
そこで、百一つぁん、じまんのてっぽう かまえて、ダーンと ぶっぱなした。すると、たった一ぱつで、かもを何わも ぶちぬいたから、百一つぁんはうれしくなって、さっそく ぬまん中へ、ガワガワと 入っていった。
あつめてみると、なんと十五わも いたんで、その首に 一羽一羽 なわをかけ、こしのまわりに ぶら下げた。
それから、さあ、帰ろうとしたら、かもが あんまりおもいんで、足が どろに とられて、なかなか歩けない。さんざんくろうして、やっとこさ むこうぎしに はい上がった。
ほしたら、こしから 足のあたりが おもたくて、もぞもぞとくすぐったいんで、「なんだべ。」
と、はかまの中を のぞいてみた。すると、はかまの中には、えびっこだのどじょっこの、ざこだのが、入ったも入ったも、ざっとまあ五しょうばかり、うようよしていた。
百一つぁんは、
「こりゃあ、たいした えものだ。早く帰って、かかさ見せっぺ。」
と、ゆるんだ こしのなわを、しめ直そうとした。すると、しんだと思っていた かもが、じゅうに バタバタと飛び立って、きしべの 小高いやぶへ にげこんだ。
さすがの百一つぁんも、きもをつぶし、これはたいへんと、後をおっかけ、やっと みんなつかまえると、こしのまわりに 結び直した。
ようやく帰ろうとしたら、やぶの中に、でっかい いのししが 一頭、ぶったおれていた。
「こりゃあ、かもをぶちぬいた てっぽうだまがとんできて、こいつに当たったと みえる。」
と、たまげていると、そばには、いのししが、くるしまぎれに 土をひっかき回して ほり出し山いもが、二十五本もつっ立っていた。
「や、や、や、これはたいしたもんだ。なじょして、このやyいも もって帰ろうか。」
と見回すと、あけびのつるが からみ合った しげみがあった。
百一つぁんは、これで いもをしばって 帰ろうと、つるを引っぱったら、きじが一わ、あわててとび立って にげていった。
そこで、百一つぁん、茂みの中に 一足ふみこんでみれば、そこにあったきじの すには、大きなたまごが十こもあった。
百一つぁんは、そのたまごを そっとふところに入れ、山のいもは おれないように あけびのつるでたばねて、どっこいしょとせおった。
それから、大いのししの足も しっかりと つるでしばりつけ、ずるずると ひきずりながら 家に帰った。
てっぽう一発って、ほれこのとうり、かもを十五わに大いのしし、山のいも なら 二十五本、えびっこや どじょっこや ざこは おもたいほど、大きなきじの たまごを 十こと、これほどのたいりょうは またとあるまい。
百一つぁんは、よろこびいさんで 家に帰ったんだと。
これで、いちご、さけた。
ある日のこと、百一つぁんは、てっぽうかついで、山奥の沼へ かもうちに行った。ちょうど、沼には かもが たくさん とんできて、水の上が 黒くなるぐらい、ぞろっとならんだんだと。
そこで、百一つぁん、じまんのてっぽう かまえて、ダーンと ぶっぱなした。すると、たった一ぱつで、かもを何わも ぶちぬいたから、百一つぁんはうれしくなって、さっそく ぬまん中へ、ガワガワと 入っていった。
あつめてみると、なんと十五わも いたんで、その首に 一羽一羽 なわをかけ、こしのまわりに ぶら下げた。
それから、さあ、帰ろうとしたら、かもが あんまりおもいんで、足が どろに とられて、なかなか歩けない。さんざんくろうして、やっとこさ むこうぎしに はい上がった。
ほしたら、こしから 足のあたりが おもたくて、もぞもぞとくすぐったいんで、「なんだべ。」
と、はかまの中を のぞいてみた。すると、はかまの中には、えびっこだのどじょっこの、ざこだのが、入ったも入ったも、ざっとまあ五しょうばかり、うようよしていた。
百一つぁんは、
「こりゃあ、たいした えものだ。早く帰って、かかさ見せっぺ。」
と、ゆるんだ こしのなわを、しめ直そうとした。すると、しんだと思っていた かもが、じゅうに バタバタと飛び立って、きしべの 小高いやぶへ にげこんだ。
さすがの百一つぁんも、きもをつぶし、これはたいへんと、後をおっかけ、やっと みんなつかまえると、こしのまわりに 結び直した。
ようやく帰ろうとしたら、やぶの中に、でっかい いのししが 一頭、ぶったおれていた。
「こりゃあ、かもをぶちぬいた てっぽうだまがとんできて、こいつに当たったと みえる。」
と、たまげていると、そばには、いのししが、くるしまぎれに 土をひっかき回して ほり出し山いもが、二十五本もつっ立っていた。
「や、や、や、これはたいしたもんだ。なじょして、このやyいも もって帰ろうか。」
と見回すと、あけびのつるが からみ合った しげみがあった。
百一つぁんは、これで いもをしばって 帰ろうと、つるを引っぱったら、きじが一わ、あわててとび立って にげていった。
そこで、百一つぁん、茂みの中に 一足ふみこんでみれば、そこにあったきじの すには、大きなたまごが十こもあった。
百一つぁんは、そのたまごを そっとふところに入れ、山のいもは おれないように あけびのつるでたばねて、どっこいしょとせおった。
それから、大いのししの足も しっかりと つるでしばりつけ、ずるずると ひきずりながら 家に帰った。
てっぽう一発って、ほれこのとうり、かもを十五わに大いのしし、山のいも なら 二十五本、えびっこや どじょっこや ざこは おもたいほど、大きなきじの たまごを 十こと、これほどのたいりょうは またとあるまい。
百一つぁんは、よろこびいさんで 家に帰ったんだと。
これで、いちご、さけた。
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